猫の世界に
猫の世界に
チンピラはいない
彼らは自分の中に
神がいるのを知っていて
だから決して
自分を嗤うことがないのだ
今日の詩
今日の短歌
あらたしきページをめくる吾の手に鉛筆はある消しゴムはない
今日の短歌
花はただ美しくさくそれを見て愛でる人など構うことなく
今日の短歌
目の前の結果を求め為すことで見知りもしない桶屋儲かる
今日の短歌
自分さえ動かそうとする他動詞は雲をつかんで空振りをする
「治す」なんておおそれたことは起こらないただものごとは勝手に治る
日に二百回「どうしたらいい?」と聞かれたらほんとに僕はどうしたらいい?
今日の短歌
これでもかこれでもかというほどのきうりの神の大盤振る舞い
今日の短歌
蝉時雨うるさいと聞こえるその時は胸いっぱいの息を吐き出す
百日紅蒼き乙女の紅の色久米の如くにサルスベリ墜つ
今日の短歌
くちびるの寒さいやます森の土にうえて浄めんうたのことのは
今日の短歌
ファックスの感熱紙の文字薄すぎて遠きインドの想いは届かず
時たまに思い出すのは今もまだそのインド綿の曼荼羅の上
うつ伏せの僕の背中でぺたんこに君の乳房が密着していた
交わると見えて空間の直線はほとんど行き違う僕らの如く
アラフォーの息子と青い曼荼羅に挟まれて寝る息絶え絶えに
今日の短歌
感情を揺さぶる悪魔の甘言も届かぬイワンの人となりたし