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陽だまりの秋の秘密の小庭にてひっつき虫と恋仲になる

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 矢印は決まっている
 どうしてもそちらを向く
 
 それが何だか損な方でも
 そっちしか向けない
 
 一人は弱い
 でも強っぽいフリは嫌
 徒党を組んでも
 弱いは弱い
 何も変わらない
 
 そのままで
 どんどんそのままで
 ずっとそのままで
 
 力を抜いて
 緩んだままで
 立っているのは辛い
 
 傷つきやすくいるのは
 痛いけれど
 それで何かが良くなるわけでもないけれど
 そうしかできない
 
 主義でも信条でもない
 逆らえない何かがあって
 
 僕は
 そうしかできない
 

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 羽ばたく未明の黒鳥
 
 異界への畏れは
 混じり合う混沌へのあこがれ
 
 稀に見る目を持ち
 その境界を渡れ
 
 祝祭の火をもて
 その羽毛を焼け
 

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 みなさん
 僕と息子をあなたたちの
「外側」においてくれて
 ありがとう
 
 おかげさまで
「外側」なんてない
 と気づくことができました

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秋の月今宵果てむと鳴く虫に冬の憂いのあるわけもなし

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 列車に乗って、
 窓から流れる景色を見やるとき、
 私はいつも思う。
 
 離れた景色はいつも私とともにあり、
 近くの眺めは決まって私から遠のき去っていく。
 
 それは私の人生の眺めそのままだ。
 
 私があまりに速く動くからか、
 あまりに動かずじっとしているからか、
 近くのものは私の歩みに合うことがない。
 
 私の視線はいつも遠くを見やって、
 そこにだけは焦点が合うのだ。

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 取りかえしのつかないできごとが
 私のなかによみがえるとき
 私はおさえることができない
 
 おなかの底からつきあげて
 ああああと
 声があふれでるのを 
 
 その声はきまって
 私がいちばんくつろいで
 心のでぐちをゆるめたときに
 
 とつぜん
 そのときの顔つきや手のしぐさをうかばせて
 あふれてくる
 
 だから私はゆだんできない
 
 だから私はいつまでもかたいままだ

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未来
 
 なぜみんな動かない
 なぜみんな固まってしまった
 
 未来がなくなったのだ
 あらゆる科学の結晶が
 未来を消してしまったのだ
 
 わからないことだらけだった未来に
 ついに科学が追いついた
 科学が時間という特異点に
 アキレスが亀に追いつくように
 
 次の1秒が、次の1時間が、次の朝が
 すっかりわかってしまったその途端
 何もかもが固まった
 
 誰一人息をすることなく
 風の一つもそよがない
 
 ほらこんなに簡単に
 ほらこんなに突然に
 未来の消えた未来はやってくる
 

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というわけで今朝はバリカンで散髪ののち自転車でランチにゴーということになりました

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チェシャ猫の月呼ぶ声のことさらに秋深々と濃くなりにけり