決して我慢したいわけじゃないけど自分のことを後にしてしまう時があるんだよけっこう
今日の短歌
一輪車に溜まった水に1センチの氷が張った
心のままに動けたら時間は止まる
今日という日が永遠に続いても僕はかまわない
君の寝顔を見ている
48色のクレヨンがほしいこの病葉を描くのに
心と体は忘れていた
今日の詩
おとろしのソウネン
人おとろしのソウネンによりて
身固くし顎突き出し
首肩縮めて息少なくす
操りびとそを呪いの言霊とす
人は右往し左往し
呪いの虜となりて
果ては屍人奴隷と化す
かくして人
三歳にしてそのオーラをおぶ
色灰にしてその濃さは
その強度にそふ
人族の文明
そのソウネン炎の薪とし
おとろしの都を築く
おとろしのソウネン
天の波動を弱め
つひには亡きにす
人族の文明虚無の尖塔
その都虹色の徒花
おとろしのソウネン
やがてハヤリヤマイのごとく
ちかしき獣に憑る
犬、牛、馬、豚
家畜と呼ばるるもの
ことごとく冒さる
そのどす黒きドームの只中に
ひとりおそれ知らぬものあり
そのものニャーと鳴き
灰色の帷をものとせず
そのオーラを帯びること絶えてなく
平然と寝そべる
人の近くにいて
人に靡くことなし
その姿麗しゅうて
たちまち人を魅了す
猫は寝子
その寝姿によりておとろしのオーラを溶かす
人族の命運
ひとえにこの獣の在るに懸る
あなおとろしやおとろしや
今日の短詩
許せ息子よ
長いこと君を受け入れようと
がんばってきたけど
受け入れてもらうのは
どっちやっちゅう話
今日の短歌
餅は5分蒸し器で蒸すとつきたての君のように柔らかくなる
今日の短歌
洗いものしているときになんとなくわかる気がする今が永遠
短歌二首
天与うリズムなくして「特別」を模造(つく)りて祝う元旦の朝
まるまって毛づくろいしてあくびしていつもどおりの猫族の朝
短歌二首
なんという世界だいたいけな子供までうまくいこうとあえいでいる
よーく思い出せお前が何しにここに来たかいのりことほぎみるため
短詩二つ
この頃わかったのは全てのものに意識は宿るということ
無力は力を超えるということ
それが自分の記憶ではないと知ったレプリカントよ嘆くな
記憶は記憶であって事実ではない
今日の短歌
最近は自分でつくったものが一番うまいなんという幸せ