今日の短歌
七十爺いがアラフォー息子と同衾す猫三匹もみんなご一緒
明らかに異常な絵柄だ。不道徳でアブノーマルに見えるかもしれない。穢らわしいと感じる人もいるだろう。
このシチュエーションを容易にわかってもらえるとは思わない。
息子には知的障害があって幼児と大人が混在する。この頃はいっぱしの理屈も言う。まるで筋は通っていないが。
夏は暑苦しくてひっつかれるのはごめんだが、冬になると時々深夜自分のベッドを出て、僕の部屋にやってくる。布団の中や上にいる猫たちを押しのけて、ついでに僕も隅に追いやって、彼は布団に入ってくる。そしてすやすやと指を吸いながら眠ってしまう。
僕にはそれに抗う術がない。そのあまりの自然さと当たり前の感覚に思考する力を失って、僕はそれを許す。
ついでに息子と一緒に寝ていた(いつも彼と一緒に寝る)黒猫もやってきて、間に入れろと僕の鼻を引っ掻く。
先に布団の中にいた小夏は低く唸って文句を言うが、ジジはお構いなしに潜り込む。もちろん二人の足元にはライが寝そべっている。
かくして僕の古くなってスプリングがギシギシと音を立てるシングルベッドはウクライナ民話の「てぶくろ」のように「生き物」で満員になる。あったかいことこの上ない。
世の人の数だけ幸せの形がある。