今日の詩

 おとろしのソウネン
 
 人おとろしのソウネンによりて
 身固くし顎突き出し
 首肩縮めて息少なくす
 
 操りびとそを呪いの言霊とす
 人は右往し左往し
 呪いの虜となりて
 果ては屍人奴隷と化す
 
 かくして人
 三歳にしてそのオーラをおぶ
 色灰にしてその濃さは
 その強度にそふ
 
 人族の文明
 そのソウネン炎の薪とし
 おとろしの都を築く
 
 おとろしのソウネン
 天の波動を弱め
 つひには亡きにす
 人族の文明虚無の尖塔
 その都虹色の徒花
 
 おとろしのソウネン
 やがてハヤリヤマイのごとく
 ちかしき獣に憑る
 
 犬、牛、馬、豚
 家畜と呼ばるるもの
 ことごとく冒さる
 
 
 そのどす黒きドームの只中に
 ひとりおそれ知らぬものあり
 
 そのものニャーと鳴き
 灰色の帷をものとせず
 そのオーラを帯びること絶えてなく
 平然と寝そべる
 
 人の近くにいて
 人に靡くことなし
 その姿麗しゅうて
 たちまち人を魅了す
 
 猫は寝子
 その寝姿によりておとろしのオーラを溶かす
  
 人族の命運
 ひとえにこの獣の在るに懸る
 
 あなおとろしやおとろしや 

Posted by hasunoza