これがその証拠ですと見せるわけにはいかないけれど安心するのに理由はいらない
今日の短歌
何が夢かと言って時間が流れているという夢くらい深い夢はない
今日の短歌
「あ」と「い」との無限のはざまをつなぐにはただ声に出して言えばいい「あい」と
今日の短歌
猫の背に顔をうずめて深呼吸するエンドレステープの感じがするとき
今日の短歌
何も変えない変えたくないもし僕がいて変わるならそっと消えたい
今日の短歌
この生で最後のはずだったけどもう一回やってもいいかな
君と出会ったところからなら

今日の短歌
決して我慢したいわけじゃないけど自分のことを後にしてしまう時があるんだよけっこう
今日の短歌
一輪車に溜まった水に1センチの氷が張った
心のままに動けたら時間は止まる
今日という日が永遠に続いても僕はかまわない
君の寝顔を見ている
48色のクレヨンがほしいこの病葉を描くのに
心と体は忘れていた
今日の詩
おとろしのソウネン
人おとろしのソウネンによりて
身固くし顎突き出し
首肩縮めて息少なくす
操りびとそを呪いの言霊とす
人は右往し左往し
呪いの虜となりて
果ては屍人奴隷と化す
かくして人
三歳にしてそのオーラをおぶ
色灰にしてその濃さは
その強度にそふ
人族の文明
そのソウネン炎の薪とし
おとろしの都を築く
おとろしのソウネン
天の波動を弱め
つひには亡きにす
人族の文明虚無の尖塔
その都虹色の徒花
おとろしのソウネン
やがてハヤリヤマイのごとく
ちかしき獣に憑る
犬、牛、馬、豚
家畜と呼ばるるもの
ことごとく冒さる
そのどす黒きドームの只中に
ひとりおそれ知らぬものあり
そのものニャーと鳴き
灰色の帷をものとせず
そのオーラを帯びること絶えてなく
平然と寝そべる
人の近くにいて
人に靡くことなし
その姿麗しゅうて
たちまち人を魅了す
猫は寝子
その寝姿によりておとろしのオーラを溶かす
人族の命運
ひとえにこの獣の在るに懸る
あなおとろしやおとろしや
今日の短詩
許せ息子よ
長いこと君を受け入れようと
がんばってきたけど
受け入れてもらうのは
どっちやっちゅう話