二度咲きの木犀揺れて落ち葉舞う不穏の風の軽きひと撫で
HASUNOZA
二度咲きの木犀揺れて落ち葉舞う不穏の風の軽きひと撫で
瓦で作ったロケットストーブに枯枝と理不尽を一緒に焚べる
田仕事に庭仕事積みてその夜の作歌は夢のうちにて為さん
小五の春のウェストサイドストーリー
ああ、恋しい夜にあなたを想う
切長の眼のあなたを想う
裏通りの錆びた階段の鉄柵に
滑らかな褐色の腕を添えて
寂れたモノクロの翳りさへ
その黒髪の艶を増すばかり
十一となった少年の
乳臭い渇望の全てを
ああ、恋しい夜にあなたを想う
ギョエテ曰くの汝女なるもの
今宵その抽象のすべてが
人形(ひとがた)と表れん
愛しき名 二次元のナタリー
僕のマリア
僕のマドンナ