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あふむけに父の胡座に横寝して幼き我は髪洗われん

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 蛙のように生きる(Living as a frog)
 
 春から借りた田んぼには
 土色のカエルが五万といて
 畦を歩く足から逃げるように
 次から次へと田んぼに飛び込む
 
 その水音と水面にできる輪という輪が
 チャポンチャポンと重なって
 スイスイと泳いでは鼻先を空に突き出して
 すっかり脱力して浮かんでいる
 
 一羽の白サギがその音を聞きつけて
 隣のため池の桟橋のように浮かんだ倒木から 
 さっそく夕ご飯にあずかろうと
 遠目に輪の重なりを睨んでいた
 
 せっかく育った稲の苗を
 傍若無人に踏みつけて
 そいつは夕食の土ガエルを
 五万とたらふく食べるのだ
 
 カエルはそれでも実に無計画に
 見方を変えればすこぶる勇敢に
 明日乾いてなくなる水溜りにも
 せっせと卵を生みつける
 
 実際うちの玄関先の切り落とされた鉄パイプには
 溜まった雨水に浸かって
 これまた鼻先を空に突き出して
 明日を憂うこともなくちょこんと一匹暮らしている
 
 彼らを勇気があるとも
 あるいは無思慮無計画とも
 人の心を持つように想像してはならないと
 ベイトソンは言ったか言わなかったか
 
 打算と憐憫の狭間から遠く
 必死ではない一所懸命に
 脱力して空に鼻先を浮かべて
 蛙のように生きる

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 やすい道を歩こう
 
 ぬかるんで足を取られるような
 かたい道は歩かない
 やすい道を歩こう
 
 今の私で十分だ
 今の私はよくやった
 やすい道を歩こう
 
 足りないところを探すくらいなら
 うんとうんとうぬぼれて
 にんまりするよ
 
 えらい道をカンナンシンク
 歩いたって
 ちっともちっとも偉かない
 
 やすい道を
 スキップスキップランランラン
 
 走り方だって歩き方だって寝方だって
 サイコウサイコウ
 ああステキ
  
 なんでこんなに美しいんだろ
 なんでこれほどステキなんだろ
 
 笑いながら
 涙が出るよ
 
 笑いながら
 怒り出すよ
 
 笑いながら
 笑っちゃうよ