今日の詩

 ずっと言葉を巡らしながらも
 立ち止まらずに歩き続けることについて
 
 
 僕はいつも
 理解したいわかりたいと思っている
 
 その理解したいわかりたいって何なのか
 
 それは生きていることを知るために
 生き物を解剖する科学者のような態度
 
 だから仮に
 理解したわかったと思ったとしても
 
 それは切り刻まれて
 死んでしまった死体のように
 もぬけのからの抜け殻
 
 生きている今は
 「はい、これです!」
 と切り取った瞬間に消えてなくなる
 
 知りたいわかりたいという願いが
 言葉を使って考え巡らすことでしかないなら
 
 言葉は外科医の握るメスと同じで
 それを知るにはおよそ向かない道具
 
 それを使ってできることの可能性は
 理解したわかったという瞬間その結論を諦めて
 
 ずっと言葉を巡らしながらも
 立ち止まらずに歩き続けること
 

Posted by hasunoza