未分類

 退場ラッシュ

 このところ身近の退場が続く
 人生からの退場 
 退場ラッシュだ
 
 これほど心が震えるのだから
 浅からぬ縁だった
 それがいい出会いであれ
 あまりいいとは言えなくなっていた出会いであれ
 
 僕の記憶の中で
 何某かの役柄を演じ
 何程かの想いを残していった人が
 退場していく
 
 彼らと一緒に作った場面が
 燦としてよみがえる
 
 思わず微笑んでしまう
 顔をしかめるほかない
 赤っ恥をかいた
 
 それぞれの場面
 
 僕は僕で彼は彼で彼女は彼女で
 精一杯の舞台だった
 
 そして彼らは退場した
 
 静かに燃え尽きるように
 あるいは
 吹き消されることを覚悟して
 あるいは
 突然プチっと断線したように
 
 ノーサイドとなった今は
 損得や好き嫌いや良い悪いという
 地上の思慮を越えて
 
 目に浮かぶその姿と
 しばらく一緒にいよう

未分類

 アンプラグド
 
 さぁそろそろ線を引っこ抜く時だぜ
 四六時中他人と繋がってるなんて
 おかしいと思わないか
 
 モニターの向こう側には
 いつわりの息遣いをした
 ゾンビの群れがいるだけ
 
 呟くようにしか喋れなくなった
 上っ面の涙しか知らない
 ウソとほんとがわからなくなった連中さ
 
 さぁそろそろ線を引っこ抜く時だぜ
 忘れたわけじゃないだろう
 誰とも繋がってないたった一人の時があったことを
 
 画面をじっと覗き込んで
 いつとは知れない気まぐれな反応を待つうちに
 孤独という幸せな時間を忘れそうになってる
 
 思い出すんだ
 暖かい笑顔や悲痛に歪んだ表情と一緒に聞こえる声の他は
 みんな自分の独り言だったことを
 触れ合う指や抱きしめるか細い背中とともに聞こえる声の他は
 みんな自分の囁きだったことを
  

 さぁそろそろ線を引っこ抜く時だぜ
 淡い期待を引き伸ばして
 絶望するチャンスを失わないうちに

未分類

 ひねくれ者
 
 僕はひねくれ者
 だから好きなのは
 
 犬じゃない犬
 猫じゃない猫
 男らしくない男
 
 でも女だけは
 女っぽい女がいい
 
 じゃ、女っぽい女って
 どんな女?
 
 そりゃ決まってる
 
 犬じゃない犬のようで
 猫じゃない猫のようで
 男らしくない男みたいな女さ