未分類

 愛についての考察
 
 試みに力の反対語を「愛」だとしてみよう
 愛は力とは反対の作用を持っている
 
 力は対象に働きかけて
 それを変えようとする
 
 愛はそれとは反対に
 何も変えようとはしない
 
 愛はただ
 物事があるように
 それをそのまま受け入れる
 
 愛は力の反対語だから
 一切の力を持たない
 
 何も働きかけず
 何も変えない
 
 けれども
 人は愛を知ると変わる
 
 力を拒むために
 得ようとしていた力は
 何一つ必要ではなくなるからだ
 
 愛を知った人は
 ただありのままに
 弱いままでいるようになる

未分類


 力(ちから)についての考察
 
 力は色々なところで使われる
 
 アビリティ(能力)も力だ
 プレッシャー(圧力)も力だ
 バイオレンス(暴力)も力だ
 
 どれも力だ
 
 どれにも共通しているのは
 対象に影響を与えることだ
 何かに働きかけ
 それを変化させることだ
 
 人は対象の世界に生きている
 そして対象となるものに変化を与えようと
 力を求める
 対象の世界は力を及ぼし合う世界だ
 
 力は硬さだ
 力は緊張だ
 力は鋭さだ
 
 人は欲望ゆえに
 力を指向する
 対象となるものを支配し
 コントロールすることには
 本能的な快感があるのだ
 
 しかし同時に
 人は力を怖れる
 なぜなら存在の根っこは
 柔らかく「弱い」からだ
 
 人はその弱さを庇おうと
 硬くなる
 緊張する
 鋭くなる
 
 力を拒むゆえに
 力を指向する 
 力を否定するために
 力を求める
 
 人は弱さゆえに
 力を求めるのだ
 
 そうして力は
 この世界の問題の根源となった