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 彼は私
 この危機の命題は何か
 それは間違った価値観、世界観だ
 我々はゼロサムの世界に生きて、
 私が取るか、それとも彼が取るかだ、と思い込んでいる
 
 その結果がこれだ
 欺瞞と策略と恐怖そして絶望
 
 その価値観は完全に間違った認識だった
 それは完全な事実誤認だ
 
 真実は
 彼が得れば私も得る、だったのだ
 なぜなら本当のところ
 彼と私は違わないから
 利他こそ利己なのだ
 
 彼から孤立した私という認識を改めよ
 彼は私という事実に立て
 

 

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 あなたはどう燃やしますか
 いのちのたき木を
 
 僕はありったけくべて
 ワラワラと燃やします
 
 立ち上がる炎が
 天まで届くくらいに
 
 残りが少ないからって
 ケチっていたら 
 気持ちよく燃えないよ
 
 どんどんくべて
 ワラワラ燃やせ
 
 きれいでしょ
 うつくしいね
 
 僕の耳元で
 黒犬はそうささやきました
 
 

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 息子と絵本を読むこと。
 一緒に料理を作ること、お風呂に入ること。
 猫を抱きしめること。掃除をすること。
 音楽を聴くこと。本を読むこと。詩を書くこと。
 自転車に乗ること。ギターを弾くこと。
 家を作ること。お米を作ること。野菜を育てること。
 子供たちと過ごすこと、教えること。
 体を慈しむこと、心を癒すこと。
 人と話すこと、笑うこと。
 女の人を好きになること。
 
 一人でいるのが好き、二人でいるのが好き。
 そして大勢といるのが好き。
 
 愛するものが多すぎる。何ひとつ捨てられない。
 
 何ひとつ達成したものはない。
 すべてがすべて道なかば。
 
 僕は怠け者だしおそらく百ぐらいしか力がない。
 千も万も力があればみんな達成するのかもしれない。
 
 非力で平凡なのだから
 非情になって一つのことに打ち込めば
 一つくらいは達成するのかもしれない。
 でもそれもできない、みんな捨てられない。
 
 けっきょく僕は百しかない力を百のものに注ぐので
 毎日みんな一しか進まない。
 すべてがすべて道なかば。
 
 でもだから
 いつまでたってもやりたいことだらけ
 毎日やることがいっぱい。
 
 ゆっくりしか進まないこと、
 完璧完全はあり得ないこと、
 人に自慢できないこと。
 
 それさえ乗り越えれば
 コーヒーはうまいし、ぐっすり眠れる。
 
 

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 奇跡
 
 僕はね 
 こんな体たらくに生きてるけれど
 二つの奇跡に恵まれた男さ
 
 一つは長い長い時間をじっくりと満たし続ける奇跡
 今もリアルタイムで進行中
 その真っ只中さ
 
 純粋というものに浸り続ける恩寵
 ただすっとそこにあるから嘘みたいだけど
 ずっとあるんだ
 たまらんよ
 
 もう一つは
 あまりにも短い時間だったから
 眩しすぎてクラクラするような奇跡
 
 悲痛と悲惨のどん底から
 鮮やかな信じられないどんでん返し
 
 絶望の果てだと思ったら
 不謹慎で圧倒的な本物の快感に満たされたんだ
 神の子にあったのさ
 
 二つの奇跡に挟まれて
 
 だからずっとそのバイブレーションが消えない
 
 無感覚と不感症
 感覚麻痺と錯乱
 
 この世に溢れる鈍感さの最中に
 
 その震えが止まないんだ